受け継ぐ、その先へ
この文章を公開することに、少し勇気が必要でした。
何を書けばいいのかではなく、どんな想いを、どんな言葉でお伝えすればよいのか。
何度も立ち止まり、何度も書き直しながら、この文章を書いています。
この春、私は友子先生が築いてこられた ZENLAB と 朱雀軒 を受け継ぎました。
友子先生は、私に茶道を教えてくださいました。
けれど、教えてくださったのは、お点前だけではありません。
茶道を通して、日本文化の素晴らしさや、季節を慈しむ心、美しいものに目を向けることの豊かさを教えてくださいました。
人とのご縁をつくり、たくさんの景色を見せてくださり、かけがえのない時間を一緒に過ごしてくださいました。
今の私が大切にしたいと思っていることの多くは、友子先生と過ごした日々の中で育まれたものです。
「受け継ぐ」という言葉は、とても穏やかな響きがあります。
けれど、その言葉の中には、長い年月をかけて積み重ねられてきた想いや、美意識、人とのご縁など、一言では語り尽くせない重みがあります。
その歩みの大きさを思うたび、「私にこの役目が務まるのだろうか」と、不安になることがあります。
今も、その気持ちがなくなったわけではありません。
けれど、考え続ける中で、一つの答えにたどり着きました。
“受け継ぐということは、誰かになることではなく、受け取った想いを、自分自身の歩みで未来へつないでいくこと。”
私は、その言葉を胸に、一歩ずつ歩んでいきたいと思っています。
茶道は、何百年もの間、人から人へと受け継がれてきた文化です。
大切に守られてきたものがあるからこそ、今もなお人の心を惹きつけます。
そして同時に、それぞれの時代の中で、新しい表現を取り入れながら、今へと受け継がれてきました。
私もまた、その流れの中にいたいと思っています。
守るべきものは、丁寧に守る。
そして、新しい挑戦を恐れない。
お茶をもっと身近に。
日本の美しさを、日々の暮らしの中へ。
それが、これから私がZENLABを通して目指していきたいことです。
このブログでは、完成したものだけではなく、その過程も綴っていきます。
思うようにいかず立ち止まる日。
新しいものが生まれる喜びを感じる日。
季節の花に心を動かされる日。
一杯のお茶に、ふっと心が整う日。
そのすべてが、これからのZENLABを育てていく大切な時間だと思うからです。
まだ始まったばかりです。
だからこそ、焦らず、一歩ずつ。
友子先生が大切に育ててこられた想いを受け継ぎながら、私自身の感性と歩みを重ね、ZENLABと朱雀軒の新しい物語を紡いでいきたいと思います。
これからも、一杯のお茶から始まる豊かな時間や、日本の美しさを、私なりの視点で丁寧に届けていきます。
その歩みを、温かく見守っていただけましたら幸いです。
どうぞ、これからもよろしくお願いいたします。